家具家電付き賃貸物件を借りる際、おすすめできない理由は何でしょうか？

その答えは、デメリットが潜んでいるためです。不動産会社の担当者様や不動産のオーナー様にとって、家具家電付き賃貸物件にはいくつかのデメリットがあることを把握しておく必要があります。

本記事では、家具家電付き賃貸物件のデメリットについて詳しく紹介しています。利用を検討している方がどのような悩みや不安を抱えているのかを理解するために、ぜひ本記事を参考にしてください。

【担当者が知っておくべき】家具家電付き賃貸物件のデメリット

不動産会社の担当者様は、まず物件の特徴を把握しておく必要があります。

どのような理由があるか知っておけば、不動産会社様で新生活応援家電セットを取り扱う理由がわかるでしょう。特に、家具家電付き賃貸物件については、そのメリットだけでなく、以下のようなデメリットも把握しておくことが重要です。

ご入居者様に対してこれらのデメリットを正確に伝えると安心して契約をしてもらえるでしょう。ここでは、1つひとつ詳しく紹介します。

• 家具家電が付いていない物件と比べて割高
• すべての家具が備え付けではない
• ご入居者様の判断で勝手に処分できない
• ご入居者様の好みの配置にできない
• ご入居者様自身でネット回線を契約できない
• 家具や家電が壊れたら修繕費は自己負担になるかも
• 家電の性能がいまいちな場合も
• 新品の家具や家電はほとんどない

①家具家電が付いていない物件と比べて割高

家具家電付きの賃貸物件は、家具家電が付いていない物件に比べて割高な傾向があります。

その理由は、管理会社が家具や家電を用意するためのコストがかかるためです。家具や家電の購入やメンテナンス・交換にともない、あらかじめ購入費用を考慮した家賃設定をしなければ、収益化が難しくなります。

また、家具や家電は、ご入居者様によって使い方や扱い方が異なるため、破損や故障のリスクも高まります。

オーナーはリスクを見越して家賃を設定し、修理や交換にかかる費用をカバーする必要があるでしょう。

②すべての家具が備え付けではない

家具家電付き賃貸物件は、忙しい現代人にとって便利な選択肢です。しかし、一部の物件ではすべての家具が備え付けではない点には注意が必要です。

家具や家電が一部しか揃っていない場合、ご入居者様の生活スタイルや好みに合わない可能性があります。例えば、ベッドやソファなどの大型家具がない場合、ご入居者様が自分で購入しなければならないことになります。

そのため、家具家電付き賃貸物件を選ぶ際には、備え付けの状態をよく確認してもらいましょう。

③ご入居者様の判断で勝手に処分できない

家具家電付き賃貸物件のデメリットとして「ご入居者様の判断で勝手に処分できない」という制約があります。

具体的には、家具や家電は入居時にすでに備え付けられており、ご入居者様の所有物ではないため、処分する際にはオーナーの許可が必要です。

この制約により、ご入居者様の自由度が低くなります。例えば、新しい家具や家電を購入したい場合や、自分の好みに合わない家具や家電を置き換えたい場合でも、オーナーの許可がなければ処分できません。

④ご入居者様の好みの配置にできない

家具家電付きの賃貸物件をおすすめできない理由の1つは、ご入居者様の好みの配置ができない点です。家具や家電が付いているとはいえ、その配置がご入居者様のライフスタイルや好みに合わない場合、ストレスを感じてしまいます。

例えば、テレビの位置やソファの配置など、使い勝手や好みに合わないと不満が募るでしょう。

⑤ご入居者様自身でネット回線を契約できない

家具家電付き賃貸物件には、ご入居者様自身でネット回線を契約できない場合が多くあります。

一般的に、このような物件ではオーナーがネット回線を契約しており、ご入居者様はその回線を利用する形が一般的であるためです。

このため、ご入居者様でネット回線を契約したい場合には制約の生じる場合があります。例えば、ご入居者様の好みでないプロバイダを利用しなければならない、速度やサービス内容が不満足な場合にも変更が難しいという問題がでてくるでしょう。

⑥家具や家電が壊れたら修繕費は自己負担になるかも

契約内容によっては、家具や家電が壊れた場合の修繕費用が自己負担になるデメリットがあります。

これは、契約上の取り決めによるものであり、予期せぬ出費が発生する可能性があることを意味します。契約時には、しっかり契約内容を確認してもらうように促さないと修繕費についてトラブルになるかもしれません。

この点も、家具家電付き賃貸物件のデメリットとして把握しておきましょう。

⑦家電の性能がいまいちな場合も

家具家電付きの賃貸物件を選んでもらう際、家電の性能がいまいちな場合も注意が必要です。なぜなら、性能が低い家電を利用すると、快適な生活が送れない可能性があるためです。

特に、冷蔵庫や洗濯機などの家電の故障が起きた場合、修理や交換に手間や費用がかかることも考慮してもらわなければなりません。また、古い家電はエネルギー効率が悪い場合があります。その結果、電気代が高くなることも懸念されます。

あらかじめこれらの点をご入居者様に伝えておくと、満足度向上につながるでしょう。

⑧新品の家具や家電はほとんどない

家具家電付きの賃貸物件の家具や家電は新品のものがない点もデメリットといえます。その点も入居希望されている方に理解してもらう必要があります。

多くの場合、前の入居者が使用済みの家具や家電を残していくため、その状態はバラバラです。新品でないため、傷や汚れがあることも珍しくありません。

使用感が濃厚な家具や家電は、ご入居者様にとって不快な思いをする原因となる可能性もあるため、あらかじめ理解してもらっておきましょう。

家具家電付き賃貸物件のメリット

ここまで、家具家電付き賃貸物件のデメリットについて紹介してきましたが、当然メリットもあります。ここでは、以下のような家具家電付き賃貸のメリットを紹介します。

• 家具や家電の購入費用を安くできる
• 引越し費用をある程度抑えられる
• 住む期間によって割安になる

ご入居者様にとって重要な要素を考慮しながら、家具家電付き賃貸物件を検討してもらうようにしてください。

①家具や家電の購入費用を安くできる

家具や家電の購入費用など、初期費用が安くできる点が家具家電付き賃貸物件の大きなメリットといえます。

賃貸物件に入居する際、初期費用は敷金や礼金、引越し料金などで50万円以上かかる場合があります。さらに、新しい生活を始めるためには家具や家電を揃える必要もありますが、最低でも20万円、こだわれば30万円以上かかることもあるでしょう。

しかし、家具家電付きの賃貸物件を選ぶことで、初期費用を抑えられます。

②引越し費用をある程度抑えられる

家具家電付きの賃貸物件を選ぶと、引越し費用をある程度抑えられるメリットがあります。なぜなら、家具家電を持ち運ぶ必要がないため、引越し業者を利用する必要がなくなるためです。

さらに、初期費用を含めた総費用を考慮すると、家具家電が備えられた賃貸物件を選択することで、30万円以上も節約できるかもしれません。

③住む期間によって割安になる

短期賃貸物件は、30〜100日の滞在でも契約できる物件があります。これら物件では、通常の賃貸物件と比べて割安に利用できるため、家具家電付き賃貸物件の大きなメリットといえます。

さらに、100日以上滞在したい場合は、マンスリープランを検討してみることをおすすめします。

マンスリープランでは、長期滞在に適した料金設定がされており、より割安に滞在できるでしょう。

家具家電付き賃貸物件は実際どうか？

家具家電付きの賃貸物件は、初期費用や手間を省くというメリットがあります。

しかし、デメリットも忘れてはいけません。ここでは、家具家電付きの賃貸物件が実際にどのようなものなのかを紹介します。

住む期間が短い方やインテリアにこだわりがない方にとっては、お得な選択肢となるかもしれません。ただし、壊れた時の対応方法についてもしっかりと説明しておくことをおすすめします。

住む期間が短い方はお得に住める

単身赴任や学生生活など、一定期間しか住まない場合には、家具家電付きの賃貸物件がお得な選択肢となるかもしれません。なぜなら、引越し代や家具家電の費用を抑えられるだけでなく、退去時の荷造りもスムーズに済ませられるためです。

家具家電付きの物件を選ぶことで、引越しの際に業者を利用する必要もありません。自分で荷造りしたり、家具家電を運んだりする手間が省けます。

家具や家電を一から揃える必要がないため、貯金がなくても安心して入居できます。

インテリアにこだわりがない方にはおすすめ

インテリアにこだわりがない方であれば、家具家電付き賃貸物件がおすすめです。

レイアウトは限られますが、必要な家具や家電が揃っているため、手間をかけずに快適な生活ができます。

ただし、2年契約の場合には、解約違約金が発生する可能性もあります。もし、違約金が発生する場合には、入居希望者に伝えておきましょう。

壊れた時の対応方法をあらかじめ伝えておく

賃貸マンションで家具や家電が壊れた場合、まずはご入居者様から連絡してもらう必要があります。

勝手に修理することは避けるように伝えておきましょう。なぜなら、勝手に修理されてしまうとトラブルが起きる可能性があるためです。基本的には、家具家電付き賃貸物件の家具や家電は、管理会社が管理するものなので、修繕や交換もしなければなりません。

あらかじめ、契約書や重要事項説明書で修繕費用の負担について細かく確認してもらっておくと、トラブルを未然に防げます。

家具・家電付き賃貸物件がおすすめの方

賃貸物件の有効活用方法の把握は、不動産会社の担当者として重要なスキルといえます。特に、家具や家電付きの賃貸物件は、多くの方にとって利便性が高く、初期費用の負担が軽減される点が魅力です。

ここでは、家具家電付きの賃貸物件がどのような方におすすめなのかを紹介します。

短期間しか住む予定がない

短期間の滞在を予定している場合、家具や家電が付いている賃貸物件をおすすめします。なぜなら、家具や家電が付いている物件は、初期費用を抑えられるためです。

逆に、長期間の滞在を予定している場合、毎月の家賃が通常の賃貸物件よりも割高になってしまうため、おすすめできません。